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キングギドラの日常

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認知症について考える

筆者は認知症患者を看る病院に転職し採用試験で小論文があるため、再度認知症について自分の考えをまとめてみる。


まず認知症とは


定義としては
「脳の器質的障害に基づく精神症状であり、経過が慢性・非可逆性で、後天性のものをいう。」


専門用語でわかりにくいので、もう少し砕いて説明すると


「生まれた時には正常であった脳が緩やかに変形・破壊されていった結果精神的な症状が出現し、元の状態にはもどらないもの」


となる。


この精神的な症状をさらに具体的に説明すると


同じことを繰り返し聞いたり話したり、大切な物の収納場所を忘れて大騒ぎし、同じ物をいくつも買い、亡くなった親族や知人を生きているという。
日時や場所がわからず迷ってしまう。
お金に対して被害的にこだわり、他人の物を間違えて使用しても平然としていたり、仕事の能率低下やミス、家電製品使用時の混乱などがあげられる。



筆者の認知症についての考え

筆者は18年間看護師として病院で仕事をしてきて認知症の方とも関わりを持ってきました。


その中で病院で最後を迎える方も沢山見てきました。


おじいちゃん・おばあちゃんというのは長い人生を掛けて家族を支え、懸命に家族を守って生きてきた方々です。


病院のカルテには患者様の情報として病歴や性格などを含めた人生を数行にまとめられているが、この数行の文にどれだけの辛かったことや我慢して耐え抜いてきたことが含まれているのか。


それは本人にしか分からない事だが、その人生の最後に認知症という病気にかかり、今まで守ってきた家族や友人などから避けられたり怒られたりと尊厳が保たれずに死んでいくという結末では、寂しく辛い人生になってしまうと思う。


では、認知症になっても最後までその人らしく人生を全うできるのだろうか。


筆者は認知症の患者様の周囲の環境が重要だと思う。


まず、現在日本での平均寿命は2014年で女性86.83歳 男性80.5歳となっており4人に1人は65歳以上という超高齢社会となっている。


という事は認知症は必然的に身近な病気であり、筆者自身認知症の家族もいます。


認知症を持つ家族としては、今までの健康な状態を見ているのですから、繰り返し同じことを聞いたり、服が1人で着れなくなったり、家族の顔が分からなくなったりなどすると、病気の事を忘れて何故分かってくれないのかという思いから、ついつい口調が強くなったり怒ってしまったりする感情は良く分かります。


しかし、周囲の人か感情的な対応をすることで更に認知症の方は落ち込んだり、混乱したり、攻撃してきたりと問題が出現し、家族では対応が出来なくなり病院や施設に預けることになる。


そうして認知症の方は慣れ親しんだ家から離れなくてはいけなくなる。


これは対応している周囲の人か悪いわけではなく、認知症についての知識が低いことが問題である。


認知症の症状で「覚える」「考える」「判断する」などの脳の働きは低下したら治らないが、「怒りっぽい」「不安」「混乱」「徘徊」などの感情的な部分は周囲の人の対応方法で改善する見込みはあるという認知症への理解がすすめば、認知症になっても社会生活が困難になることは減少すると思う。

 認知症の方の対応例
《パターン1》
おじいちゃんが1時間ほど前に自分の部屋から万年筆を持ち出し、客間で手紙を書いた後そのまま万年筆を置き忘れ、自分の部屋に万年筆がないと探しています。


お父さんと孫がいつもの物忘れかと思いましたが、「一緒に探そう」と優しく言葉をかけてしばらく探してましたが、おじいちゃんは万年筆の事を忘れて部屋に戻っていきました。


自分の部屋に戻ったおじいちゃんは何をしていたかは忘れてしまいましたが「困っている時に優しく助けてくれた。」というあたたかい感情が残っています。


このような対応の繰り返しの中で半年後、おじいちゃんの物忘れは進んだが、安心できる場所として家で家族と楽しく暮らしています。


《パターン2》
おじいちゃんが1時間ほど前に自分の部屋から万年筆を持ち出し、客間で手紙を書いた後そのまま万年筆を置き忘れ、自分の部屋に万年筆がないと探しています。


お父さんは「昨日も一昨日もそう言って、自分で置き忘れてたじゃないか!ボケてるんだから自覚してって言ってるだろ!」と怒鳴ります。孫も「ダメだよ、じいちゃん」とけなしていきます。


それを聞いたおじいちゃんは「そうか、間違ってたか!面倒掛けないように気を付けよう」とはなりません。


自分の部屋に戻ったおじいちゃんは何を言われたのかは忘れてしまいましたが、「わしが困った時に怒ってくる怖い人がいる」という不快・恐怖の感情が残っています。


このような対応の繰り返しの中で半年後、おじいちゃんの心に残っていったのは、「息子や孫は怖い人」「手を出して来たら、先に殴ってやる」という感情でした。しばらくすると息子が介護で手を出そうとすると殴りかかって、介護への抵抗や暴力が始まりました。


おじいちゃんは「あんな怖い家には居たくない」という思いから勝手に外出し、町を徘徊するようになってしまいました。


このように、その方の尊厳を保つように問題行動のある今だけを看るのではなく、その人の人生背景をふまえて関わっていき、その人がその人らしく人生の最後まで充実した時間を持てるよう家族と共に認知症について考え、その方の周囲の環境を整えるサポートをしていく事が筆者の役割だと考える。

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